足部療法は中医学の貴重な遺産と言えます。足部療法の起源は約5000年前にさかのぼり、中国やインドそしてエジプトと正確なことは未だ明らかにされていません。しかし、エジプトのサッカラに手や足に対し、何らかの手技をおこなっている約4500年前の壁画が残されていたり、中国古代医学書「黄帝内経」の中には「観趾法」や「足心道」という記述があります。中国の先人は、足部に対し、原始的、感性的、偶然的な行為を繰り返しては検証し、徐々にその中で、各器官と組織に関係する、反応部(反射区)や反応点(経穴)を発見し、相互関係の規律性を認識しました。「観趾法」とは、人間の足部には人体の器官や組織と深い関係がある多くの反応部や反応点が存在し、それに対し良性刺激を与えることで、生理機能が正常となり、病気の予防や治療を目的とする中医学の中でも重要な療法のひとつです。例えば、足部には足の陽明胃経・足の太陰脾経・足の太陽膀胱経・足の少陰腎経・足の厥陰肝経・足の少陽胆経の経穴が63穴存在しています。現在では、足部療法は名称や一部の手法に変化が加えられて多くの国と地域で導入されリフレクソロジー『Reflexology』や足底マッサージなどの名称が用いられ普及しています。